紅葉を見に湖東、湖北のお寺を訪ねました。
湖とは、琵琶湖のことで、湖東は彦根、近江八幡を中心とする琵琶湖東岸の地、湖北は福井、越前の近くで、昔はかなり栄えたところですが、今は寂れた琵琶湖北岸の地です。思い立ったのは、優美さで知られる、湖北向源寺の十一面観音を見たくなったからです。湖北の地は昔、浅井氏の領地であったため、織田信長が浅井氏を滅ぼした時、領国の寺も焼き滅ぼされ、土地の人々がなんとかご本尊の観音様だけは、火の中から救い出したもので、向源寺以外にも、沢山のそういう十一面観音が,今でも土地の人に守られてお堂に祀られているので、それを見たくなったのです。
実際に訪れた結果は、石道寺(しゃくどうじ)に感動しました。村の奥の小山の中腹にあるこじんまりしたお堂は、紅葉に囲まれ、その中にまだ唇の紅色がうっすらと残っている十一面観音は厳かさ、あどけなさ、それに不思議な官能性をたたえており、しばらく見ほれました。
湖東は、昔、日本海側の若狭から湖北を通って京都を結ぶ重要な街道筋だった地で、そういったことに思いを馳せながら、紅葉で有名な湖東三山を歩きました。
琵琶湖東岸の山裾に、北から南に並ぶ西明寺(さいみょうじ)、金剛輪寺、百済寺(ひゃくさいじ)の湖東三山と、更に南の永源寺です。
降っては晴れ、晴れながら降る時雨もよいの寒い晩秋に、紅葉は最高潮で、紅、黄、緑のグラデーションをみせる楓は近景から遠景まで、重ね合わせながら美を競い、時雨の滴が葉末をしたたり、それがしっとりとした緑の苔に落ちるさまは幽玄の世界でした。
写真を載せますので、紅葉狩まだの方は、楽しんでください。
投稿日:2007年11月27日 カテゴリー:未分類