口腔外科疾患の一例

 今回は口腔外科疾患の一例として、口唇にできる嚢胞性疾患を紹介しましょう。思い当たる方もいるかもしれません。
 多くは下唇の粘膜(口の中の濡れているところ)の膨隆としてみられます。大きさは5mmから2cmぐらいで、ほぼ円形です。痛みはありませんが、特徴的なのは、時につぶれてなくなりますが、少しするとまた大きく膨らんできて、これを繰り返します。(左図)
 唇の内側を触るとブツブツしているのに気付くと思いますが、これは異常ではなく、小さい唾液腺を触れているのです。この唾液腺が詰まって、唾液が溜まった袋が、この病気の正体で、粘液嚢胞といいます。袋がつぶれて中の唾液が流れ出ると小さくなりますが、その穴がふさがると再び唾液がたまって袋ができることになります。
 嚢胞は基本的に悪性ではないので、治療は手術で袋を切除するだけで済みます。時間は15分ぐらいです。切除したもの(右図)は大学病院で病理組織学的検査を受け、悪性でないことを最終的に診断します。
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投稿日:2008年3月19日  カテゴリー:未分類

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